腰部脊柱管狭窄症による坐骨神経痛
◆腰部脊柱管狭窄症◆
椎間板ヘルニアによる坐骨神経症状が20代~40代に多いのに対して、脊柱管狭窄症による神経症状は中年以降の方に多く、加齢による変形性の脊椎症のひとつ。

(鑑別のポイント)
左図の「馬尾型」は重症で膀胱・直腸障害が主体となる。先天的に脊柱管が狭い場合や椎弓の肥圧が著しかったりと骨性狭窄が大部分である。両側の殿部から下肢後面、足底部にいたる異常知覚や脱力感がある。医師による治療を受ける必要がある。
中央の図の「神経根型」では脊柱管の狭窄は著明ではなく椎間関節の肥大・変形が主体である。歩行時の腓腹部痛が主症状となる。膝蓋腱反射やアキレス腱反射は80%以上で消失。SLR(下肢伸展挙上テスト)は一般に陰性である。SLR陽性ならば椎間板ヘルニアを疑う。また、重症の椎間板ヘルニアが常に痛みがあるのに対して、脊柱管狭窄症は長時間立っていたり、体を後ろに反らした時に痛みがでる。間歇性跛行もよく知られている症状である。症状が軽い場合は様子をみて保存療法を行う。温熱療法やマッサージや鍼灸などで腰の緊張をとることも重要である。
右図の「混合型」は「馬尾型」と「神経根型」の症状を併せ持つ。
注意:脊柱管狭窄症と閉塞性動脈疾患の間歇性跛行を見分けることが重要。
※間歇性跛行とは、ある距離を歩くと下肢の筋肉に痛みが生じ、歩行を続けることが出来なくなる。しばらく休むと痛みが消え歩行できるが、また歩けなくなること。
●脊柱管狭窄症の間歇性跛行の場合は筋力低下や知覚異常が現れ、前屈姿勢により急速に症状がゆるむ。また、立位のみで下肢症状が誘発されるが 自転車に乗っている時は症状はない。
●閉塞性動脈疾患の間歇性跛行の場合は姿勢によって改善することはなく、歩行負荷により初めて下肢症状が出現する。腓腹筋部の疼痛や足背動脈・後脛骨動脈の消失もある。この場合、下肢の動脈だけでなく脳などに動脈硬化がないか確認する。鍼灸治療などは不適応で医師の治療を受ける必要がある。

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